私は研修医の頃から急性期病院に10年以上勤務し、消化器内科医として治療内視鏡から抗癌剤治療までを専門としておりました。長く主治医をつとめた患者さんが在宅ケアに移行する時には、今後起こりうる症状や予後を入念に説明し、診療情報提供書とともにいしが在宅ケアクリニックに依頼しておりました。素晴らしい在宅医に出会えることを願って紹介状を作りながらもいつか私は「自宅に戻った患者さんはどのように過ごしてどんな最期をむかえたのだろう?」と頻繁に思うようになり、ご家族も状況の変化を受け入れているかその表情も見ていきたいと思うようになりました。また医師として専門性が深まっていく日々の一方で糖尿病や認知症など他科領域の疾患も診ていきたいと思うようになりました。
私はいしが在宅ケアクリニックに非常勤医師として半年ほど勤務し、院長だけでなく看護師さんや事務さんにも訪問診療のいろはを指導していただきました。その深みにはまり現在は週4日勤務の常勤医師として在籍しております。「自分の専門である消化器内科・内視鏡診療も続けたい」という希望も院長は受け入れてくださり週1日は急性期病院とクリニックに勤務しております。
これまで私は疾患の診断から治療までを専門として診てきましたが、現在は治療後からお看取りまで、患者さんが直面するストーリーすべてにたずさわることができていると実感しております。
皆さんもぜひ一度見学にお越しいただき在宅ケアを目にしてみませんか?病院から処方されたお薬はほとんど内服されていない現実から、痛みや苦しみのない理想的な緩和ケアまで診療内容は多岐にわたります。そこには「ありがとう」「先生に出会えてよかった」という患者さんからのお言葉に感動できる毎日が広がっています。